安心してドローンを使っていける環境の整備が必要だ(写真/米倉昭仁)
安心してドローンを使っていける環境の整備が必要だ(写真/米倉昭仁)
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 趣味やビジネスなどで利用の広がる無人航空機、ドローン。6月20日からドローンの所有者情報の登録を義務づける制度が始まった。無登録の機体の飛行は禁止され、違反者には1年以下の懲役か50万円以下の罰金が科せられる。日本国内におけるドローンビジネスの市場規模は年々拡大し、2021年度の2308億円から今年度は3099億円に増加すると見込まれる(インプレス総合研究所)。その一方で、ドローンの事故や違法な飛行も増えている。新制度設立の背景と課題を取材した。

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 国土交通省によると、2015年度、ドローンが関わった事故(ニアミスも含む)は12件だった。ところが21年度には139件と、6年で約11.6倍に増加した。一覧には、このようなケースが記載されている。

<ヘリコプターの下方約10メートルをマルチコプターが通過した>(東京都江戸川区)

<大雪山公園内で映像撮影を目視外飛行で行っていた際、周辺の樹木に機体が接触し墜落した>(北海道大雪山)

<空撮のため高度約30メートルで飛行させていた際、制御不能となり、付近の駐車場に墜落した>(高知市)

<無人航空機を飛行させていたところ、機体の受信機が反応しなくなり、アパートの屋根に墜落し、損傷させた>(愛知県岡崎市)

■事故も違法飛行も増加している

 しかし、これらの事故は氷山の一角にすぎないという。

 国交省航空局安全部無人航空機安全課の長島功佳課長補佐は、こう説明する。

「このリストに記載された事故の多くは国交省の許可、承認を得た飛行での事例です。しかし実際には、このリストに載っていない事故が数多く発生しています。例えば、所有者がわからないドローンが落ちていた、というケース。許可、承認要件に当たらない飛行での事故は、それがどのように起こったのか、われわれも実態をつかめていません。それが登録制度制定の背景としてあります」

 空港周辺や150メートル以上上空、人口集中地区などの飛行が禁止されているエリアで100グラム以上のドローンを飛ばすには、国交相の許可、承認が必要となる。

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国交省が挙げる「登録制度」三つの目的