21年度、国交省に報告された139件の事故のほとんどは業者や行政機関が所有するドローンによるもので、このうち58件が空撮、43件が農薬や肥料の空中散布を目的とした飛行だった。個人所有のドローンの事故は53件、約38%。大半のケースは事故原因が究明され、是正措置がとられた。

 しかし、ドローンが事故を起こしても所有者不明では対策をとりづらい。

 事故だけでなく、違法な飛行も増加している。

 警察庁によると、ドローンによる航空法違反容疑の摘発は16年、36件だった。それがコロナ禍で外出が控えられる直前の19年には111件と、3年で約3.1倍に増加。115人が検挙された。111件中54件は「記念撮影」として無許可でドローンを人家が密集する地域に飛ばしたなどのケースで、「操縦練習」が34件だった。

■「登録必須」を徹底してきた

 事故が発生したり、違法な飛行が行われたりしたとしても、機体が登録されていれば、迅速に所有者を特定できる。今回の登録制度について、国交省は三つの目的を挙げる。

1. 事故発生時などにおける所有者把握のため。

2. 事故の原因究明や安全確保のため。

3. 安全上、問題のある機体の登録を拒否し、安全性を確保するため。

 大手家電量販店、ヨドバシカメラに聞くと、国交省は制度の開始以前から登録制度の周知について、積極的に働きかけてきたという。

「弊社のネット販売サイト『ヨドバシ.com』については、もうかなり前に国交省から『ドローンを購入いただく際に、登録の必要性を表記してほしい』と、要請されました。ですので、6月20日から登録が義務化されます、という告知を行ってきました」

 店頭での販売はどうだろうか?

「対象商品を購入されるお客様には『必ず登録してください。でないと、飛ばせません』と、案内を徹底しています。具体的な登録方法については国交省の『無人航空機登録ポータルサイト』に詳しく記載されているので、お客様がそれを見て、ご自身で登録されるかたちになります」(ヨドバシカメラ広報)

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