機体や所有者の情報を登録するほか、原則、電波で機体の識別情報を発信する「リモートID」機器をドローンに装着しなければならない(ファームウェアのアップデートでリモートID機能を持たせたり最初からこの機能が内蔵されていたりする機種もある)。
■登録するかは本人次第
登録の際は運転免許証など、本人確認書類が必要となる。では、未成年者がドローンを購入したり、プレゼントされたりした場合はどうだろうか。
「国交省からは『保護者の同意を得たうえでドローンを所有してください』と、お願いしています。その場合、ご家族のどなたかが所有者となって申請してもかまいません」(前出の長島さん)
ただ、登録が必要なのは野外で100グラム以上のドローンを飛行させる場合だ。屋内での飛行や部屋に飾っておくぶんには登録の必要はない。
さらにいうと、ドローンの登録をするかどうかは、本人の意思に任せられており、国交省、販売店とも登録を強制しているわけではない。そのため、ドローンが悪用された場合、どのように所有者を特定し、責任の所在を明らかにするかが課題となる。
その背景にあるのが空港周辺へのドローンの侵入で、滑走路が閉鎖された事件が国内外でたびたび起こっている。
例えば、関西国際空港では、19年秋、3日にわたってドローンらしき物体が目撃され、滑走路が一時閉鎖された。旅客機の発着が遅延し、空港利用者に多大な影響が出た。
このようなケースでは、ドローンの操縦者は航空法違反を認識しながら飛行させた可能性が濃厚である。しかし、このような悪意を持った人間が個人情報を登録するとは考えづらい。新制度が航空機の安全な運航に結びつくかは疑問符がつく。
■違反飛行の半数は外国人
また、外国人が、人口密集地などでの飛行禁止を知らずに軽い気持ちでドローンを飛ばすケースが相次いでいる。
ドローンによる航空法違反が最多だった19年、検挙された115人のうち、約半数の51人が外国人だった。中国人が最多の19人。次いで米国人が7人だった。