5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。
case.25 不用品と一緒に思いこみぐせと苦労性も処分
夫+子ども3人/農業関係
「つねに夫の機嫌をうかがっている。そんな母を見て娘たちは育ちました。夫に『違う。こうやれ』と言われると娘と決めたことも変えてしまう。一本筋を通せない感じの自分でした」
これまで人に言えなかったと明かしてくれたのは、3人の子どものお母さん。オンライン講座で自然豊かな土地からの参加でした。家業に家事に子育てに奮闘してきました。 彼女の重荷は夫の態度。子どもは可愛がるが、妻にはひどい言葉をかける、否定する、怒鳴る。20年以上、彼女は萎縮してきました。
「離婚して自活する考えも浮かぶんだけど、自信がなくて。興味ある勉強をしようと思うんだけど、できないと思ってしまう。視野の狭い考えしかできず、いま思うともがいていました」
娘は母を気にかけ、社会人になるとよく連れ出してくれた。夫も行ってくれば?と言うので、泊まりがけで何度か出掛けた。でも、帰宅するときまって夫の機嫌が悪い。「結局、お母さんが嫌な思いをするなら連れ出せないね」と娘を不安にさせる。このくりかえし。
片づけは苦手で、あふれた物で疲れがちでした。リビングに隣接する「ちょい置き部屋」にはいつか片づけようと置かれた物でいっぱい。
昨年の秋はなにかマイナスな感情に覆われました。仕事を手伝う人が来てくれて時間ができたのに、片づけが終わらず1日が終わる。娘とのお出かけのあとには急にめまいが襲ってきた。「こんなんじゃ何もできない」と鬱々(うつうつ)とする中、娘が過去、結婚を視野にお付き合いする男性の転勤が決まったとき「ママを置いて行けない」と、帯同を諦めたと知ります。