林:「人を責めずに『仕組み』を変える」。これも名言です。
佐久間:ADさんの負担をできるだけ軽くしても、やっぱりある程度は重いんですよ。2回ぐらいミスすると「あのADはダメだ」って言われるんですけど、2回ミスするってことは仕組みが悪いというか、その人の負担が超過してる場合があるんで、ちゃんと見極めないといけない。いまテレビ局で働いてくれてる若いスタッフって、テレビ局を選んでくれた時点でありがたい存在なので、その人たちが働きやすいようにしてあげたいなと常に思ってますね。
林:テレ東を辞めるときは何も言われなかったんでしょう?
佐久間:はい。テレ東で新番組も1、2本立ち上げましたし。
林:ラジオ(「オールナイトニッポン0」)もやってるし、全部でいくつぐらいやってるんですか。
佐久間:3月にNetflixで「トークサバイバー!」という番組をやらせていただいて、SHOWROOMの前田(裕二)社長がやってる「smash.」という配信サイトでもいくつかバラエティーをやらせていただいてます。これからほかの配信サイトでもいくつかつくるし、去年、日本テレビとフジテレビで番組つくって、それも第2弾があるかもという感じで、あと、テレビ東京でレギュラーが2本……。
林:すごいですね。
佐久間:「トークサバイバー!」のときは悩みましたけどね。Netflixから「本格バラエティーをつくってほしい」と発注があって。ドラマとバラエティーを組み合わせる方法で、ドラマのトーンで急にフリートークをして、つまらない人がドラマの中で殺されていくという企画を立てました。映画監督(河合勇人)と一緒に。けっこうお金かかりましたけど、テレビCMがガンガン流れて、配信日の前日に渋谷駅前の液晶画面でそれを見た瞬間、「これがはずれたら俺、もうフリーとしてやっていけないんじゃないか」と思って、気持ち悪くなりました(笑)。
林:でも、当たったんでしょう?
佐久間:おかげさまでランキング1位をとれたので、まだやれるなと思ったんですけど、僕、会社員だったんで、会社員って失敗が許されるじゃないですか。クビにならない。でも、フリーでやった1年目の仕事は、「これコケると、次の仕事はないかもな」と思いながらやったんで、けっこうドキドキが多かったですね。
(構成/本誌・唐澤俊介 編集協力:一木俊雄)
※週刊朝日 2022年7月29日号より抜粋