部下を上手に褒めるには?

──風通しのいい組織づくりのために心掛けていたことはありますか?

佐久間:特に若いスタッフに対しては、「おもしろかったところやいいところをまず褒める」ことですね。たとえば会議でも、まだキャリアの浅い若手は、明らかに実現不可能な企画を持ってくることが多いんです。でも、そうした意見を頭から「不採用」と言い切ってしまうと、おもしろいアイデアはなかなか出てきません。部下のプライドも傷つくし、無力感を持たれてしまう。モチベーションも下がってしまいます。

 大事なのは、メンバーひとりひとりに「自分は役に立てている」という存在価値を感じてもらうこと。アイデアなんて、どんなものでも最初は未熟です。だったら、はじめは「切り口」として採用して、議論を燃やす薪にすればいい。

 100点のアイデアだけを求めるのは、針の穴に糸を通せと言っているようなもの。それではみんな萎縮して、自由な発想は出なくなってしまいます。

 だからこそ、僕がいつも気をつけているのは「その人からしか見えない景色」を評価するということです。

 たとえば、テレビ業界でいえば、若いAD(アシスタント・ディレクター)じゃないと思いつかない意見を出してくれたら、「その立場の意見は思いつかなかったから、すごく助かるよ。それってつまり、こういう切り口のアイデアだよね。同じような発想で、他にも出てきそうな気がする。みんな、どうかな?」というように、まわりに振ってみたり。

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リーダーは「予断」してはいけない