
環境意識の高まりや脱炭素社会へ動きが加速するなか、はたして自分たちの住むまちはどうか? 本誌編集部の独自集計「市区町村ランキング100」シリーズの第3弾は、SDGs(持続可能な開発目標)でも注目の“エコ”がテーマ。
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エコな自治体を知るうえで欠かせないのが、ごみのリサイクル率だ。総務省の18年度データをもとに、ランキング化してみた。

1位は北海道喜茂別町の100%。ニセコ町や留寿都村などのリゾート地に近接する町では、15年に生ごみ堆肥(たいひ)化施設が竣工した。留寿都村のごみも受け入れ、年間300トンの生ごみを堆肥化。その堆肥は住民に無料配布し、全量を地域に還元する。
「堆肥は販売できるほど質が高くないが評判はいい」(喜茂別町担当者)
2位は埼玉県日高市。焼却施設の老朽化やごみ増大で処理能力を超えたため、地元の太平洋セメント埼玉工場へごみ処理を委託した。年間約1.1万トンの可燃ごみは、ここでセメント原料や燃料となる。通常のごみ焼却に比べ、焼却灰が出ず、ダイオキシン類の発生も低く抑えられるという。通常の燃えるごみのほか、プラスチック、ガラス、瀬戸物なども施設内でセメント焼成の際に原料や燃料になり、ごみの分別収集の手間が省ける。「自前の施設は一切持っていない。焼却施設のコストはかからない」(市担当者)

3位は山口県美祢市。「可燃ごみや可燃系粗大ごみは固形燃料化している」(市担当者)といい、地元の宇部興産伊佐セメント工場に売却し、燃料として活用してもらっている。
ちなみに、今回のごみリサイクル率には影響しないが、同市はし尿処理場を持つ。「水処理すると脱水汚泥が出てきて、伊佐工場でセメント原料になる」(同)というから、ここでもセメント工場と連携し、エコなごみ処理を実現している。
5位の福岡県宮若市では「かなり古くから燃えるごみを焼却処理していない」(市担当者)。燃えるごみはRDF(固形燃料)製造処理場で固形燃料となり、大牟田リサイクル発電のRDF発電に使われる。RDF製造処理場では、同市をはじめ、ランキング5位の小竹町、7位の鞍手町から出た可燃ごみを固形燃料へとつくりかえる。
そもそも、ごみの排出量が少なかったり、抑えようとしていたりするケースもある。