さらにコロナ禍の影響も大きいだろう。近くのゴルフ練習場でクラブを振ることで、外出自粛による運動不足を解消し、あまり汗をかかずにストレス発散できる。さらに、ゴルフ場デビューすれば、緑豊かな広大な野外で、互いの距離を取って3密(密閉、密集、密接)を避け、気兼ねなくプレーすることができる点も魅力だ。50代以上が経験した会社の経費を利用したゴルフではなく、レジャーや軽スポーツの一環としてゴルフを選択する人がでてきているのだろう。

 一方、受け入れる側のゴルフ場の変化にも注目したい。

 バブル経済の崩壊後、日本のゴルフ場の経営権を外資が握ることで、多方面に渡りゴルフ場改革が進んだ。会員権がなくても利用できる施設や、平日であれば1万円以下でもプレーができるコースも登場するなど、ゴルフ場を利用するハードルは下がっている。さらにゴルフ場へ行くときの服装も、通常は「紳士淑女のスポーツ」として男性ならジャケット着用(夏場を除く)が原則だが、カジュアル化し、ドレスコードを緩和して対応しているゴルフ場もある。

 さらに、一人予約で単独のプレー希望者が集まってコースを回ったり、夫婦やカップルなど2サム(2人組)でのプレースタイルを実施したりしているところもある。さらに女性プレイヤーのために、ロッカーやトイレ、シャワールームを新たに増設している施設もあり、手軽に使いやすくなっていることもブームを後押ししている。

 また、業界全体として、若い世代を取り込む動きもある。

 たとえば、21、22歳のゴルフ場や練習場の利用料金を無料とする取り組みがある。リクルートの旅行情報サイト「じゃらんnet」は、中長期的にゴルフ参加率を増やすことで、ゴルフ市場と関連産業、ゴルフに伴う国内旅行を活性化することを目的に「ゴルマジ!」プロジェクトをスタート。 21歳、22歳だけゴルフ無料(ゴルフ場=9ホールや18ホールプレー、練習場=30分の打席料または50球のボール代無料)とすることで、需要創出を目指している。就職活動を終えた学生をゴルフへと誘導することで、将来への顧客の増加に貢献するのが狙いだ。

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ゴルフブームを振り返る