五島市ではドローンを使った配送の取り組みが「民間企業を中心に回り始めている」(市担当者)という。
このほかにも、ドローンを使って配送する取り組みは官民双方で全国各地に広がりつつある。
千葉県勝浦市では今年2月、地元商工会と住友商事などがドローンによる地域密着型の配送サービス構築に向けた実証実験を実施している。実証実験では地元名物のタンタンメンをドローンで配達している。
勝浦市は山や坂が多くて、交通の便が良くないとされる。実証実験では商品が商店街から別荘地や大学、小学校、お寺、民宿、漁港などの地域の施設に、ドローンとトラックを使って配送している。買い物弱者の支援のほかにも、商店街の活性化や、災害時の物資輸送体制の構築などを狙いとしているという。
山梨県小菅村は、秩父多摩甲斐国立公園内にあり、多摩川の源流がある。20年4月の人口は715人で、高齢化率が46%となっている。少子高齢化が進んで買い物弱者が増えており、ドローンを活用したスマート物流の取り組みを進めている。
小菅村の実証実験で、配送実績は国内最多規模という。住民からの注文により、ドローン基地から3キロほど離れた最寄りのスタンドへ、人間の目視によらない「目視外補助者なし飛行」でドローン配送する。(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2022年7月15日号より抜粋