「中西医結合の病院を開設してから」は二日酔いがなくなりました。酒の道が整ってきたのでしょう。ただ、内モンゴルに行って、向こうの友人に乾杯を挑まれたときは飲み過ぎました。60度もある白酒を何度も飲み干すのですから、たまりません。いい思い出です。
この歳になるまでには、ひどい飲み方をすることが何度もありましたが、「最近」は酒道というものが見えてきました。本当に旨いと思って酒を飲むと、生命のエネルギーが高まり、体外にあふれ出てくるのです。しかも良い飲み相手と一緒なら、お互いの生命が触発し合って、エネルギーが大いに高まります。そのエネルギーは天に上っていく感じがします。
酒の道はさらに洗練され、境地を上げていく気がします。楽しみです。
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意」(朝日新聞出版)など著書多数。本誌連載をまとめた「ボケないヒント」(祥伝社黄金文庫)が発売中
※週刊朝日 2022年7月8日号