■京都の中のフランス パリの街角のようなサロン・ド・テ
平安神宮の大鳥居を南へ、白川沿いをほんの少し入ると、パリの街角にあるような赤ワイン色のシックな外観のサロン・ド・テ「オ・タン・ペルデュ」があります。フランス料理の名店が手掛けられている気軽にテイクアウトできるデリは、京都ではとても貴重なお店です。テリーヌやパテ、ニース風サラダなどパリの雰囲気をそのまま味わえる数々のお惣菜やケーキがずらりと並び、訪れる度にワクワクしながら、ガラスケースをのぞき込んでしまいます。
蚤の市巡りのお昼には、キッシュをテイクアウトして、公園や疎水沿いのベンチでほっとひと息つきたいですね。卵と生クリームの風味とコクが豊かな「キッシュ・ロレーヌ」は、ベーコン、チーズ、玉ネギが入っていて、1ピースで満足感も味わえるフランスでも定番の味なのです。
■京で約50年愛され続けるタルトタタン
平安神宮の西側、パリの街の片隅に古くからあるような佇まいのカフェ「ラ・ヴァチュール」は、フランスの伝統菓子タルトタタンで広く知られています。祖母である先代の店主・松永ユリさんが、フランスで食べた味を再現し、開店から50年経ってもなお多くの人に愛され続けているのです。
孫の若林麻耶さんがその味を受け継ぎ、その時の季節に相応しい20個あまりのりんごを使い、カラメル状になるまで4時間以上じっくり煮詰め、丁寧に作っているタルトタタン。濃厚で深みのある味わいに、なんとも言えない幸福感が口いっぱいに広がります。タルトタタンをはじめ、クルミのタルト等もテイクアウトができるので、秋晴れの青空のもとで味わいたいお菓子です。