■手触り優しく柔らかな花のたまご箱
1891(明治24)年より西陣、室町の呉服関係の桐箱を代々作り続けてきた箱藤商店。日本画絵師によりひとつひとつ、とても丁寧に手描きされた12カ月の季節の花々のたまご箱。優しく柔らかな手触りでいつまでも手にとっていたくなるほど。蓋をそっと開けると中から小さな花の断片が顔を覗かせるという粋な遊び心が秘められています。出産祝いやヘソの緒入れ、アクセサリーケースとして思わず誰かに贈り物にしたくなるのです。
■季節の物語を感じ、しみじみと陶酔する 4寸季節の木箱 「踏青(とうせい)」
北区紫竹の花屋、西山隼人さんの手から生みだされる花の世界には、初めて出逢った頃からずっと魅了され続けています。4寸季節の木箱は、暦や行事からイメージを膨らませ、その時々の景色を12センチ角の木箱に閉じ込めたもの。春の小花を敷き詰めた「踏青(とうせい)」とは、野遊びをして野山に萌え出る草の精気を身のうちに取り込む意味合いをもつそうです。青々とした野原の隙間から小さく花を覗かせたカラスノエンドウやホトケノザ。子供の頃に駆け回り野花摘みに明け暮れた嵯峨野の野原を思い出しながら、じんわりと懐かしい気持ちに。