■椿に託すひとつだけの願いごと、白玉椿絵馬
伝説にちなんだ「白玉椿絵馬」は、つぼみが描かれた絵馬に願いごとをひとつだけ書き(一願成就)奉納し、開花の絵馬は持ち帰って家庭で祈願。願いが叶ったら御礼詣りをし、開花の絵馬を奉納するという二枚でひと組の珍しい絵馬です。コロンコロンと愛らしい音を奏でる小さな花鈴や「あなたの花」と「花ことば」が添えられている花みくじに心がくすぐられます。
■園の賑わい 鍵善良房のお干菓子で花めぐり
心の中が「花」でいっぱいになったあとは、和菓子や京こものの「花」集めへ。
江戸時代より祇園で愛され続けてきた「鍵善良房」、親しみを込めて京都人は「鍵善さん」と呼んでいます。「園の賑い」とは、昔祇園祭で艶やかな女人たちが装いを凝らした行列の名。その美しい面影を偲んで作られたそうです。お干菓子に込められた祇園らしいお話に京の雅を感じます。包み紙、木箱の掛け紙、紐に至るまで、お干菓子にかけた愛を感じながら、木箱の蓋を開けると、豊かな四季の花々が映しだされた姿に思わずため息が出ます。桜、蝶、楓など愛らしい型の琥珀、落雁、ゼリー、生砂糖。丁寧に淹れたお茶と一緒に一服すれば、口の中でほろりと溶ける至福の時です。