ただ実際行ってみると最初に抱いていた怖いもの見たさという気持ちが薄れ、「江戸時代の裁判システムってこんなにしっかりしていたんだ」という知的好奇心がくすぐられている事に気づきます。

 刑事部門を担当する学芸員の日比佳代子さんは、こう話します。

「インパクトがとても強いので展示には注意していて、『スゲー』『ひどいな』で終わらないようパネルを充実させているんです。見終わって『意外と勉強になっちゃった』とおっしゃる方が多いですよ」

 江戸時代への興味だけでなく、人権というもっと広い範囲を考えることもでき、来た甲斐があったと思わせる展示でした。

 展示物から大学の歴史や特徴を垣間見られるのも大学博物館の特徴ですが、「考古部門」はそれが光ります。実は明治大学の考古学専攻は私立大学で最も歴史を持ち、岩宿遺跡や登呂遺跡など教科書にも載っている遺跡の発掘調査も行っています。そのため“考古部門”の展示物の99%以上は大学が発掘した出土資料で、4点の国の重要文化財を含む貴重なものばかり。自前でこれだけのコレクションを展示できる博物館は稀。考古学専攻の権威ある歴史を感じることができます。

 ただ単に発掘物を紹介するのではなく、それらを研究することの意義と現在の研究レベルから見たらそれらがどう見えるのかを伝えているのも大学博物館ならではの視点です。

「商品部門」は1960年代以降を中心に、その時代を象徴するものを展示。3つの分野を同時に楽しめる明治大学博物館もおすすめです!

【情報】「明治大学博物館」東京都千代田区神田駿河台1-1アカデミーコモン地階/開館時間:10:00~17:00/入館料金:無料 ※休館日など詳細は公式HPでご確認ください

■横山大観、ミュシャだけじゃない!模写16年の壁画も <愛知県立芸術大学>

“芸術の秋”の由来は芸術作品の展覧会がこの時期に多く開催されるからという説も。そんな時期にぴったりなのが愛知県立芸術大学です。同大学内にある芸術資料館では絵画、彫刻、デザイン資料、陶磁器や楽器、音楽関係資料など1547点の芸術関係の品を所蔵しており、そのうちの69点を常設展示しています。

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