では、ポータブル電源の容量の目安はどれくらいになるのか。Jackery広報担当者は、キャンプの初心者や1人用の防災なら「700Whくらいでいい」と話す。本格的なアウトドア使用なら2000Whの大容量がお勧めだ。同社では「1000Whの製品が一番売れている」という。
ポータブル電源の値段もさまざま。おおよその目安として、700Whくらいの小型のものは数万円程度からある。2000Wh以上の大型のものになると20万円以上になり、なかには数十万円のものもある。
ポータブル電源を選ぶ際に、容量は一つの基準だが、公称の容量を100%使えるわけではない。メーカーや製品でばらつきがあるが、「余裕をみるなら、公称の2~3割マイナス」と考えるほうがいいと、EcoFlow営業担当者は話す。
そのからくりは、ポータブル電源そのものが電気を消費するからだ。充電する際は電気を直流でためておく。家電をつないで使う際は、電気を交流に変換する。そこで必要になるのがインバーターで、これを動かす際の電気ロスが15~20%くらいになるという。
インバーターの消費電力は「使う家電にもよる」と話すのは、アンカーの植田さん。消費電力が少ない家電ほど、インバーターの電力消費が大きくなるとも指摘する。
さらにポータブル電源を使用すると、熱を帯びてくる。排熱ファンを回すため、その電気ロスも出てくる。このほか、気温など使用環境でも違いがあるという。
もう一つの大事なチェックポイントが、ポータブル電源のバッテリー寿命だ。充電しては使い、それを繰り返していく。何回くらい充電と給電ができるかが重要となる。一般的に、充電回数を重ねていくほど、充電する能力が落ちる。
バッテリーは主に三元系リチウムイオン電池とリン酸鉄リチウムイオン電池があり、最近は後者が主流とされる。アンカーの植田さんは「リン酸鉄のほうが売れ筋で、寿命が長く、お薦め」と話す。植田さんによると、三元系のバッテリーが300~500回くらい使えるのに対し、リン酸鉄のものは3千回くらいと、6倍程度の差があるという。アウトドアなどで、よく使う人にはリン酸鉄のほうがお薦めと話す。