
「借金持ちの人と結婚して、娘が幸せになれるわけがない!」
都内在住の30歳の男性は、結婚を考えている恋人の両親に挨拶に行った際、母親からそう言われ、目の前で号泣されたという。
「確かに、毎月奨学金の返済はあります。しかし、夢に向かって奨学金を借りて大学に進学したのに、まるで“ろくでなし”と結婚するような扱いを受け、とてもショックでした」
いまや、大学生の2人に1人が奨学金を借りて進学する時代。それでも、「奨学金=借金」というイメージはいまだ根強い。その結果、奨学金が結婚など人生の節目で障壁となるケースも少なくない。
7月10日、結婚相談所「パートナーエージェント」が、婚活中の会員311人を対象に「奨学金と結婚・婚活」に関する調査を発表した(集計期間5月31日~6月10日)。「奨学金の受給経験がある」と回答したのは全体の34.7%だった。
「真剣交際前に伝えてほしい」
さらに、現在も奨学金を返済中の人に対して「それを相手に伝えることに抵抗があるか」と尋ねたところ、「とてもある(13.9%)」「少しある(30.6%)」と、あわせて44.5%が抵抗を感じていると回答した。特に25〜29歳に限ると、その割合は77.8%にも達した。
調査に協力した婚活コンサルタントの菊乃さんは、次のように語る。
「結婚相談所の会員は約8割が大卒以上なのですが、婚活の場で奨学金の話はあまり出てきません。この調査結果を見て、もしかしたら、『奨学金の返済を理由に、婚活に踏み出せない人が多くいるのでは?』と思いました」
同調査によると、奨学金の返済がある場合には「真剣交際前に伝えてほしい」と答えた人は29.9%にのぼった。一方で、「伝える必要はない」と答えた人はわずか6.1%にとどまった。