「結婚を考えるのであれば、奨学金の存在はいずれ明らかになるため、いずれにしても“伝えない”という選択肢はないと思います」(菊乃さん)
また、日本最大級の奨学金プラットフォームを運営する「ガクシー」も、菊乃さんと協力し「奨学金と結婚・婚活」についての意識調査」を行った(調査期間6月6~16日)。
回答者は、同社が運営する学生・保護者向け奨学金情報サイト「ガクシー」の会員627人(大学生・大学院生327人、保護者212人、専門学校生29人、ほか)で構成されている。
注目すべきは、この調査に保護者も参加している点だ。「奨学金の返済が将来の結婚に悪影響を与えると思いますか?」という質問に対し、保護者のうち「強く思う(52.4%)」「ある程度思う(34.4%)」と回答した人は、合計で86.8%にのぼった。
大学生・大学院生の回答も「ある程度思う(42.5%)」「強く思う(30.3%)」と続き、合計で72.8%が「結婚に悪影響がある」と考えていた。
返済に20年以上
自由記述欄には、以下のような声が集まっている。
〈借金を抱えてからのスタートなので、パートナーに返済があると二の足を踏んでしまいそう〉
〈少なからず、お金を借りていれば“借金”と同じなので、相手やその家族に悪い印象を持たれ、敬遠される可能性がある〉
〈私は医療系の学部に通っています。6年間の学費で計算した結果、最短でも返済が終わるのは45歳でした。将来、子どもが欲しいと思っていましたが、奨学金(借金)の返済に20年以上もかかるので、自分ひとりの生活で精一杯。子どもにかけてあげられるお金はなく、絶望しました。女性は出産を希望する場合、産休・育休中は収入が減ります。男性よりも(そのぶん自分で)返済できる期間が短く、不安が増しますし、高齢出産によるリスクもあるため、出産を断念せざるを得ません。そんな状況で結婚を受け入れてくれる人は、なかなかいないと思います〉