一方、「返済中の場合、適切な結婚のタイミングはいつだと思いますか?」という問いには、保護者からは「相手と相談しながら判断する(47.2%)」「返済が終わってから(22.6%)」という回答が寄せられている。奨学金の返済期間は平均で約14.7年(2018年調査)。順調に返したとしても、完済は30代後半〜40歳前後となるケースが多い。
こうしたなか、まだ返済が始まっていない学生たちも、すでに奨学金が将来の結婚に影を落とすと感じているようだ。
「自己投資」
だが、菊乃さんは、こう語る。
「婚活は事前に条件が見えて比較検討ができてしまうので、相手への品定めが厳しくなる傾向はあります。しかし、過度に品定めして相手への要求が多い方と支え合う関係を築くのは難しいので、そのような方とは結婚しないほうがいいかもしれません。相手が奨学金を返済中だった場合は、自分とは異なる環境で育った人への理解を深めましょう」
結婚する時には事前に住宅ローンや教育資金などにどう対応すべきかなどを話し合って、将来に備えればいいという。
物価が上昇するなか、近い将来、奨学金を借りることがますます当たり前になる時代も来る。奨学金を返済しながら結婚している人は大勢いる。そもそも奨学金とは、夢に向かって「大卒」などの称号を手にするための手段にすぎない。「自己投資」であるため、悲観するようなことではないのだ。
(AERA編集部・古寺雄大)
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