
内輪モメに終始する現状に苦言も
党改革の具体的な内容として、“裏金問題”に踏み込んだのが、西田昌司参院議員だ。西田議員は岸田文雄前首相時代から、政治資金収支報告書に不記載があった議員はすべて政治倫理審査会に出席させるなど厳しく対応しなければ、「選挙で絶対に負ける」と進言してきたという。
「ところが石破さんは、それをまったく聞いておられなかった。(昨年の衆院選では、不記載があった候補者に説明責任を求める前に)いきなり非公認にして、(公示後に非公認候補が代表を務める党支部に)2000万円を交付するとか、わけのわからんことをやっている」
この日、党本部前では麦わら帽子をかぶった男性が「辞めなきゃいけないのは裏金議員じゃねーのかよ!」と連呼する場面もあった。西田議員によると、懇談会では裏金問題への対応の誤りを指摘する声が数人から上がったが、一連の問題の震源地となった旧安倍派の幹部からは特に発言がなかったという。
首相退陣を迫る声が目立つとはいえ、自民党は決して一枚岩ではない。大岡敏孝衆院議員は、懇談会で「ただちに辞任することが責任の取り方ではない」と発言したことを明かした。
「衆参両方過半数を割ったので、秋の臨時国会までに私たちの法案・予算を通せる体制を死に物狂いで作るのが総裁の責任だと。(野党との)連立になるのか、閣内には入らないけど法案によっては協力するのか、日米関税交渉と同じくらい必死でやらないと」
片山さつき参院議員も、“石破おろし”や次期総裁選の前にやるべきことがあるはずと、内輪モメに終始する党の現状を諌(いさ)める。
「多くの有権者が『外国人問題を考慮して(参院選で)投票した』と答えているような時ですから、問題がある(外国人経営者が日本で起業する場合などに与えられる)経営・管理ビザは行政権を行使して執行で止めればいい。(ガソリンの)暫定税率についても、森山裕幹事長が『いずれ廃止する』と言っているんですから、廃止を前提とした法案を出せばいいのに、アクションがまったくない。今、内閣を持っている自民党としてやれることがこの瞬間にあるわけで、そこから手を付けないと(国民から)信用されないと思いますね」