両院議員懇談会に出席した森山幹事長(左)と石破首相
両院議員懇談会に出席した森山幹事長(左)と石破首相

石破続投の「世論」

 実際、朝日新聞社が26日、27日に実施した世論調査では、参院選の結果を受けて石破首相が「辞めるべきだ」と答えたのは41%で、「その必要はない」の47%を下回っている。自民大敗の要因については、「自民全体に問題がある」が81%を占め、「首相個人に問題がある」はわずか10%にとどまった。

 自民党は29日、首相退陣を求める党内の声が収まらない事態を受け、両院議員総会を開くことを決めた。開催の条件である、所属国会議員の3分の1以上の署名が提出されたという。「懇談会」よりも格上で、重要事項の議決権がある「総会」の場で“石破包囲網”が狭まることは必至だ。

 28日の懇談会では、森山幹事長が自身の辞任の可能性を示唆。その森山氏は懇談会終了後、記者団から、党内に渦巻く石破政権打倒のムードは世論とズレがあるのではないかと問われると、苦笑しながらこう答えた。

「非常に面白い現象だなと思っています。世論とは何なのかということを考えさせられますよね」

「国民政党」を自負する自民党は、本当に国民のほうを向いているのか。昨今の選挙で焦点とされている問いが引き続き、突きつけられている。

(AERA編集部・大谷百合絵、古寺雄大)

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