まさかの降格圏に沈む横浜FM、後半戦の浮上はあるか
まさかの降格圏に沈む横浜FM、後半戦の浮上はあるか
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 E-1選手権、天皇杯3回戦を経て、7月19〜21日にJ1リーグ第24節が行われた。その結果、上位陣の混戦状態が続く一方、下位グループの争いも熾烈だ。次節は8月9〜11日でシーズン残り3分の1になろうとしている中、夏の補強で戦力変化のあったJ2降格圏に沈む3チームに注目したい。

【写真】今季J1で得点王を狙うのがこの人

 まさかのシーズンを過ごしている横浜F・マリノスは、7月を迎えてようやく浮上の兆しを見せている。今季、スティーブ・ホーランド新監督のもとでスタートしたが、チームの戦い方を模索した状態のままACLEを含めた過密日程でダメージを負い、3月29日の第7節からリーグ戦11戦未勝利(2分け9敗)の泥沼にハマり込んだ。

 さらに5月下旬に鹿島、町田を相手に2連勝を飾ったのも束の間、6月は1分け4敗の未勝利と低迷が続き、4月中旬からホーランド監督に代わって指揮を執っていたパトリック・キスノーボ監督も解任されることになった。

 しかし、新たに就任した大島秀夫監督のもと、最初の3試合は1分け2敗も、7月に入って5日の横浜FCとの「横浜ダービー」を1-0で勝利すると、中断明けの20日の名古屋戦では3-0快勝を収め、3カ月ぶりに最下位から脱出したのだ。

 横浜FMは今夏に変化があった。痛手は、横浜FC戦を最後に2023、24年と2年連続得点王のアンデルソン・ロペスが退団したこと。だが、代わりにJ2いわきFCから獲得したFW谷村海那が、7月20日の名古屋戦でいきなり先制ゴールをマークした。奮迅の働きを見せていた遠野大弥が今季絶望の大怪我を負ったことは非常に痛手だが、夏の移籍でブラジル人アタッカーのユーリ・アラウージョ、イスラエル代表歴を持つ大型FWディーン・デイビッドを獲得しており、今後に期待を持てる。

 さらに7月に入って最終ラインにジェイソン・キニョーネス、中盤にジャン・クルードと頼れる助っ人が長期離脱から相次いで復帰したことは大きなプラス材料。この2人の個人能力は非常に高く、彼らが万全の状態になれば、どのチームが相手でも恐れることなく戦えるはずで、井上健太をトップ下に置く新布陣も手応えあり。24試合を終えた現在、勝点21(5勝6分け13敗)でJ1残留圏の湘南とは勝点差3。ハッキリとJ1残留への「光」が見えている。

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