一方、同じ横浜を本拠地に置く横浜FCは、現在、勝点19(5勝4分け15敗)の19位で泥沼の真っ只中にいる。第17節を終えた時点ではJ1残留圏の17位に踏みとどまっていたが、5月25日の第18節の柏戦で1-1で勝点1を獲得したのを最後に、6月以降の6試合を6連敗中。その間、12失点で得点はわずか2と苦しんでいる。

 ただ、夏の補強は積極的に動き、Jリーグでも実績のあるポーランド人GKヤクブ・スウォビィク、山形から優れたパス能力を持つMF髙江麗央、愛媛からスピード自慢のサイドアタッカー・窪田稜の獲得に成功した。さらに磐田、FC東京、甲府で得点を重ねたブラジル人FWアダイウトンの獲得も決定的との報道があり、次節8月9日の浦和戦では、これまでとは違ったチームになれる可能性がある。

 その反面、この新戦力を特効薬にしてチームが変わることができなければ、J1残留は非常に厳しくなる。レアル・ソシエダとの親善試合の後の8月のリーグ戦4試合が、残留へ向けた大きなポイントになりそうだ。

 最下位転落となったアルビレックス新潟は、さらに苦しい状況だと言えるだろう。現在24試合で勝点19(4勝7分け14敗)。6月22日付で樹森大介監督を解任して入江徹監督とともにチーム団結が必要だが、柏に移籍したFW小見洋太に続き、DF稲村隼翔とMF秋山裕紀が海外挑戦を決断し、宮本英治が岡山、太田修介が湘南へと移籍した。

 その代わりに、磐田から植村洋斗、C大阪から舩木翔、柏から島村拓弥と白井永地、さらに広島から小原基樹と新戦力を次々と獲得したが、戦力収支がプラスになったかどうかは疑問が残る。迎えた7月20日の広島戦では、白井がボランチ、植村が右サイドバックとしてスタメン出場し、後半途中から島村、舩木もピッチに立って変化の“兆し”は見せたが、結果は0-2完封負けでリーグ戦5連敗となった。

 主力選手の入れ替わりによってチームを作り直す必要があるが、どうしても時間がかかる。J1残留のためには助っ人選手の個人能力に頼るのも有効な手段になるが、チームの中で最も個の力で違いを作り出せる人材と言えたダニーロ・ゴメスが全治8カ月以上の長期離脱。獲得報道のあったブラジル人FWマテウス・モラエスに救世主としての働きを期待したいところだが、果たしてどうなるか。

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