日本はアメリカに反撃せよ!
アメリカが言っていること、やっていることは理不尽で無礼で野蛮である。明らかに日本を「なめている」からだ。これに対して「なめられてたまるか」と言った石破首相に対して、もっとアメリカと仲良くやれという声が出る。
国民のこの意識はなんなのか。暗澹たる気持ちになる。
そんな折、格好のチャンスが与えられた。
英紙フィナンシャル・タイムズが、コルビー米国防次官が日豪国防当局者に台湾有事の際の役割を明確にするよう求めたと報じたのだ。
歴代米政府は、台湾有事の際の対応について、明確にしない「曖昧戦略」を維持してきた。トランプ大統領は公式には何も語っていないが、支持者との会合で、中国が台湾に侵攻したら北京を爆撃すると習近平国家主席に伝えたと語ったと報じられている。
このようなトランプ大統領の考えを忖度して、側近たちが、同盟国に台湾有事に参戦するように圧力を強めているのかもしれない。政権交代前に日本から台湾有事の際に参戦するという言質をとろうとしたとも考えられる。
日本とともに、態度を示せと迫られた豪州は、アルバニージー首相が、アメリカが曖昧戦略を取るのに豪州にあらかじめ対応を約束するように要求するのは不合理ではないかという記者の質問をうまく利用しながら、事実上それを肯定する回答を行った。閣僚レベルでは、より明確に、アメリカが台湾有事に際してどうするか約束していないことに明示的に言及しつつ、緊急事態が生じた時は、その時の政府が対応を判断すると言って、現時点での約束を明確に拒否している。
日本はどうするのか。
これを機に反撃に出てはどうか。
米側に、「質問されたので」と断って、「台湾有事の際には、日本は完全に中立を守ります」と答えるのだ。さらに、「在日米軍基地の使用については事前協議が必要ですが、あらかじめそれを拒否することをお伝えします」と付け加える。
これを石破首相からトランプ大統領に宛てた正式な外交文書として発出し、SNSで公表するというのはどうだろう。
トランプ大統領は激怒して、500%関税をかけると叫ぶかもしれない。そして、「日本を守るのはやめた。日本から米軍を退去させる」と切り札を出してくる。
だが、それはこちらの思う壺だ。
「了解しました。では年末までに撤退してください」と答えれば良い。
在日米軍基地がなくなれば、アメリカは対中国の最重要拠点を失う。台湾有事では中国に手も足も出ない。どうするかという話になる。
トランプ大統領は、譲歩するのを嫌って、さらに驚くような制裁を加えてくるかもしれない。