
開幕前の低かった下馬評を覆して、春先から投打がかみ合い首位争いを繰り広げてきた西武。交流戦後は勢いに陰りが見え、4カード連続負け越しで、日本ハム、ソフトバンク、オリックスの上位3球団とゲーム差がついてきた。とはいえ、最下位に低迷した昨年と比べれば十分に健闘していると言える。
【写真】源田の定位置を脅かすNPBで最も身長の低い選手はこの人
「得点力が他球団に比べて明らかに見劣りしますが、昨年までと比べて個々の能力がレベルアップしていることは間違いない。西川愛也、長谷川信哉、滝澤夏央、ドラフト2位ルーキーの渡部聖弥と、チームの核になる選手が成長していますし、チーム再建に向けて若返りが進んでいます」(スポーツ紙デスク)
チームの若返りが進むなかで、難しい立場になるのがベテランだ。昨年までは源田壮亮、外崎修汰が絶対的なレギュラーとして起用されてきたが、立ち位置に変化が出てきている。外崎は二塁から三塁にコンバートされたが、打撃不振で6月に入るころからスタメン落ちの試合が増えてきた。遊撃で球界屈指の守備能力を誇る源田も、打撃が振るわず6月半ばからスタメンを外れる試合が増え、7月上旬に20打席連続無安打で打率を.225まで下げると、10日の楽天戦でスタメン落ちした。
この10日の楽天戦で、源田に代わって遊撃で先発起用された滝澤が好守備を見せた。3回に辰己涼介の中前に抜けようかという打球を好捕すると素早く一塁に送球し、間一髪でのタイミングでアウトに。
西武を取材するライターは「俊足を生かした広い守備範囲で肩が強く、捕ってから送球までの動作も速い。課題の打撃も追い込まれて粘れるようになり、速い球を引っ張れるパンチ力があります。西川と滝澤の1、2番コンビは俊足で機動力を発揮できますし、色々な作戦が仕掛けられる。21歳と若いですし、楽しみな選手です」と期待を込める。
西武が最後にリーグ優勝を飾ったのは6年前の2019年。当時の主力だった秋山翔吾(広島)、山川穂高(ソフトバンク)、森友哉(オリックス)はその後チームを去り、スピードスターの金子侑司、守護神の増田達至は昨年限りで現役引退した。優勝メンバーはめっきり少なくなり、チームを長年支えた中村剛也、栗山巧は共に今年で42歳を迎える大ベテランになった。外崎、源田も32歳とベテランになった。