料理研究家のリュウジさん(撮影・松永卓也/朝日新聞出版写真映像部)
料理研究家のリュウジさん(撮影・松永卓也/朝日新聞出版写真映像部)
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 超人気料理研究家のリュウジさんにインタビュー。「NG質問なし」ということで月収・年収まで答えてくれた。前後編の前編。【本記事はアエラ増刊「AERA Money 2025夏号」から抜粋しています】

【写真を見る】料理研究家リュウジさん動画制作中の「裏側」撮った!

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 料理研究家のリュウジさんが披露するレシピは、手頃な食材で簡単にできて、おいしい。動画では大好きなお酒を飲みながら(飲まない回もある)の軽快なトークとともに、新作の料理がテンポよく出来上がる。

 リュウジさんのレシピ通りに作ると、誰が作っても「リュウジさんの味」になる。再現性の高いレシピだ。

 本誌がはじめてリュウジさんを取材したのは2021年のこと。あれから4年。当時「バズレシピ」で人気だったリュウジさんは前進した。

 ユーチューブの登録者数は522万人(2025年4月末現在/以下同)。Xのフォロワーは286万人。インスタグラムは同208万人。重複はあるにせよ、合わせて1000万人超だ。

 ネットを飛び出しゴールデンタイムのバラエティー番組にもたびたび登場。テレビの世界でも人気者になった。

「成功の秘訣(ひけつ)は?」と月並みな質問をすると、「僕はマーケティングがうまいだけ。何がバズるとか、何がはやるとか、何が売れるとか、そのへんの嗅覚(きゅうかく)はあったかもしれない」。

スランプはゼロ

 今回の取材当日はリュウジさんの新作レシピ「脂肪燃焼にんにくスープ」の動画撮影も行われた。撮影準備からスープの出来上がり、試食まで1時間半ほど。これを20分ほどのコンテンツにまとめる。

「今日は比較的サクサク進んだかな」とリュウジさん。

 視聴者が目にするのは楽しい部分、役に立つ部分をギュッと凝縮したものだ。

 レシピ動画以外では、カレーや即席麺、冷凍ギョーザなどの市販品を評価する「忖度(そんたく)なしレビュー動画」も人気である。レビュー動画も品物の調達から動画アップまでに多大な時間と労力を割く。

 レシピ作りが大変そうだ。漫画家や芸人が時としてスランプに陥るように、悩むこともありそうだが。

「スランプ? ないない、一回もないです」

 リュウジさんはレシピ作りを「基本的には一発」で決めてきた。

「苦労したレシピはあるけど、どんなにやり直しても4〜5回で確実にモノになるので」と涼しい顔。

AERA Money 2025 夏号 [雑誌] (AERA増刊)
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