素顔は内省的で謙虚な高橋だが、選手時代も氷に乗った瞬間からスケーター・高橋大輔に豹変する演技が圧倒的だった。その表現者としての資質が、役者としても開花した印象だ。
前述の個別取材で、「歌と台詞にも自信がついてきたのではないか」と質問した際、高橋は「いや、もうやればやるほど、自信がつかないですね」と即答している。
「多分、エンタメの世界で活躍されている方々への憧れが強いんだと思います。そこにいけない悔しさが、パワーにはなっていますね」
「ただ毎回、『自分は“演じる”ということが好きなんだ』と思います」とも口にしていた高橋は、増田をはじめ第一線で活躍する俳優陣と共演した今公演で、また一つエンターテイナーとしてのステップを上がったようだ。
「この舞台で、新たな自分の一面をお見せできるよう、最終日まで全力で挑みます」
初日を終えた高橋のコメント通り、「氷艶2025」の氷上には、かつて見たことのない高橋大輔が存在していた。(文中敬称略)
(文・沢田聡子)
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