
夏の甲子園出場を目指す地方大会は6月14日に沖縄、21日には北海道の支部予選が開幕。7月から8月の本大会に向けて高校野球界は1年で最も盛り上がりを見せる時期であり、プロ入りを狙う選手にとっては大きなアピールの場でもある。そんな地方大会で注目の選手について、ドラフト候補となる選手を中心にピックアップして紹介したいと思う。今回は野手についてだ。
【写真】ドラフトでギリギリの指名を受け、会見で涙を見せたのがこの人
まず捕手で筆頭格と言えるのが大栄利哉(学法石川)だ。
1年秋から不動の正捕手として活躍。昨年春の選抜では大会前に自転車で転倒して負傷した影響で代打での出場のみに終わったが、その後も順調に成長を続けている。投手としても楽に140キロを超えるスピードを誇る強肩で、セカンド送球はコンスタントに1.8秒台をマーク。地肩の強さに頼って少しコントロールが不安定なのは課題だが、ボールの勢いは圧倒的なものがある。
4番を任されているバッティングもバランスの良いスイングで長打力と確実性を高いレベルで兼ね備えており、4月に行われたU18侍ジャパン強化合宿では木製バットでも快音を連発した。捕手としてのポテンシャルの高さは頭一つ抜けている印象で、将来の正捕手候補が欲しい球団にとっては垂涎の存在と言えるだろう。
大栄以外の捕手では同じ東北で下級生の頃から活躍している川尻結大(仙台育英)、この春急成長を見せた大型キャッチャーの池田栞太(関根学園)、上背はないものの抜群のパンチ力と強肩が光る岡村了樹(富島)なども楽しみな存在だ。
内野手ではショートの選手に注目が集まることが多いが、今年は今岡拓夢(神村学園)、横田蒼和(山村学園)、半田南十(日大藤沢)、西川篤夢(神村学園伊賀)などの名前が挙がる。
今岡は1年夏から甲子園で活躍した右の強打者。軽々とスタンドに運ぶパワーだけでなく、センター中心に打てる打撃は高校生ではトップクラスだ。守備は少し柔らかさには欠けるものの脚力と肩の強さはあり、昨年からレベルアップしているのもプラス材料だ。