
人生でもっとも高額な買い物といえば、「住宅」だろう。しかし、住宅の購入費用を一括で支払うことは難しい。そこで、多くの人が利用するのが住宅ローンである。
住宅ローンは、銀行や信用金庫などの金融機関が提供する「民間ローン」が代表的だ。金利タイプは市場金利の変化によって適用金利が変わる「変動金利型」、一定期間は固定金利が適用され、その後に変動する「固定金利特約型」、完済まで金利が一定の「全期間固定金利型」に分かれる。
さらにローンの組み方もいくつかあり、一人が主債務者となる「単独ローン」、夫婦それぞれが別々に借り入れる「ペアローン」、2人でひとつのローンを借りる「連帯債務」や「連帯保証」がある。
一口に住宅ローンといっても、選択肢はさまざまだ。これらを見比べて自分に最適な住宅ローンを組んで、購入することになるが、後になって後悔する人も多いという。
「借入金額を少なくすればよかった」
今年1月、三井住友信託銀行株式会社が設置している「三井住友トラスト・資産のミライ研究所(以下、ミライ研)」は、約1万人(18~69歳)を対象とした独自アンケート調査結果を公表した。住宅ローンを返済中の人(1227人)に、住宅ローンに対する後悔の有無を質問したところ、35.4%が「後悔あり」と回答。実に住宅ローン返済中の3人に1人が何らかの後悔をしていることがわかったのだ。
後悔の内容でもっとも多かったのは「借入金額を少なくすればよかった」(30.1%)、次いで「頭金の割合を多くすればよかった」(24.9%)、「借入期間を短くすればよかった」(16.7%)となった(複数回答)。
この調査を担当したミライ研の矢野礼菜さんは、次のように語る。
「現在、日本は“金利のある世界”へと移行しつつあり、住宅ローンを取り巻く外部環境も大きく変化しています。こうした中で、住宅ローンを借りた当初に想定していた状況と、実際に返済が始まってしばらく経った今の状況は、ギャップが生じています。そのため、『思っていたのと違った』と感じる人が増えているのではないでしょうか」