この記事の写真をすべて見る

 2日放送の「きょうの料理」(Eテレ・よる9時)は、「土井善晴のふつうにおいしいもん」。今回は「ゴーヤーチャンプルー」など、暑さを吹き飛ばす栄養満点な夏の「炒めもん」2品を紹介する。料理研究家・土井善晴さんのインタビュー記事を再掲する(この記事は「AERA dot.」に2023年1月15日に掲載されたものを再編集したものです。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)。

【写真】具だくさん「ラクやせみそ汁」のレシピはこちら(全8品)

*   *   *

 料理研究家・土井善晴さんの著書『一汁一菜でよいという提案』がベストセラーになっている。一汁一菜や日々の料理のこと、日本の食文化などについて、土井さんに聞いた。AERA 2023年1月16日号の記事を紹介する。

 土井善晴さんが上梓した『一汁一菜でよいという提案』(新潮文庫)は反響を巻き起こした。

「私自身に関して言えば、一汁一菜はもう古いかなと思っていて。さらに先へと進みたい」

 今回の特集の趣旨(健康的に痩せる)について説明すると、土井さんはこう返した。

「一汁一菜なら結果的に適正体重に近づくでしょうね。健全な食事をとれば体調が整う。食べ過ぎたら太るのは当たり前です」

 日頃から土井さんが口にするのは「毎日の料理にレシピは不要」という言葉だ。

「日頃の料理は何も考えないのが基本。何を作ろうかと思うことがストレスです。今あるものを何でもかんでも入れてみそ汁を作ればいい。おいしくないものは作りようがないんです。だしなんていらないですよ」

 ただ、インスタントやレトルトの食品が全盛であるだけに、一汁一菜でも「自炊は面倒くさい」と感じる人もいるだろう。

「面倒くさいって言葉に今の人は逃げられるんですね。みんな一緒に面倒くさい、だから、いいと思い込みたいのでしょう。とやかく言うつもりはありませんが、ちゃんとするかしないかは自分の問題です。だけどみんなちゃんとしたほうがいいって知っているから、苦しいんですよね。そうでなければ、やらなければいいだけでしょ」

「一汁一菜さえ作ればノルマ達成。その上で、自分が食べたいもの、家族に食べさせたいものを作る。それは全部楽しみです」

次のページ