
多摩美卒の個性派レスラー 学プロとの運命的な出会い
インディー・プロレス団体ガンバレ☆プロレス(以下、ガンプロ)は2013年、インディー団体の雄DDTの系列団体として旗揚げ。別の系列団体を追放された大家健が、DDT代表・高木三四郎から1万5千円の投資を受けて設立した。DDTの映像班に所属していた今成も旗揚げ当初から参加。
数多あるインディー団体の中でも小規模で、徐々に怪しいメンバーが揃っていく中、全員の出自が信用ならない格闘技トーナメントを開催したり、後楽園初進出ではインディーの象徴・大仁田厚が参戦したりと話題を呼び、個性を発揮していく。2017年にDDTとともにサイバーエージェント系列のサイバーファイト傘下に入ったが、2024年にグループから独立して現在に至っている。
個性的なレスラーが揃うガンプロの中でも、多摩美術大学卒で映像作家の肩書も持つ今成は特に個性派だ。

高校生でプロレスラーを志すも身長が伸びず断念、プロレスのTシャツを見ていて「こういうものを作りたい」と思ったのと、「高校でモテなかったから、女の子が多い大学に行きたい」という動機で美大に針路を定めたところ、見学に行った武蔵野美術大学の学園祭で、学生プロレスと運命的な出会いを果たす。
「後にDDTで一緒になるアントーニオ本多さんがOBとして参戦していて、『長州ミキティ』という女子選手と対戦していて。それがメチャクチャ面白かったんです。『まず美大生になろう。そこで学生プロレスをやれば、自分のやりたいことが全部満たせる』と思いました」
決意は固めたものの、それまで美術の心得があったわけではない今成は、「ちゃんと」浪人。しかも多摩美術大学への入学を決めるまでには、2浪の月日を要した。だが入ってからの行動は早く、一橋大学を中心としたインカレの学生プロレス団体に加入。聖蹟桜ヶ丘駅が最寄りだったことから、先輩に「金的桜ヶ丘」というリングネームをつけられた。