コロナ禍以後、自宅で過ごすときは自炊が中心。所属団体に道場がなかったため、「ちゃんこ番」の経験もない。タレのレシピはYouTubeで見かけたものを再現している(写真/馬場岳人)
コロナ禍以後、自宅で過ごすときは自炊が中心。所属団体に道場がなかったため、「ちゃんこ番」の経験もない。タレのレシピはYouTubeで見かけたものを再現している(写真/馬場岳人)

 年を経るにつれて学生プロレスにハマっていった今成を同級生として見ていたのが、元でんぱ組.incのメンバーである夢眠ねむだ。夢眠は地方在住の高校生時代、長期休みに通っていた東京の予備校で「腕組みしていて怖い浪人生」として今成を認識。しかし同じ大学に入学して同じサッカー・サークルでまた出会うことになり、「フタを開けてみたらいい人で、メッチャ一緒に」過ごすことになる。

 今成とは研究室が違い、制作活動での接点はなかったが、作品が評価されず落ち込んでいた時に、今成が気にかけてくれたりもしたという。

「私も夢ちゃんが撮った学生プロレスラーのドキュメントを見て、『すごい、こんなの作ってたんだ!』と思って。学生プロレスの試合を見に行ったこともありました(笑)。プロレスってちょっと怖かったんですけど、一生懸命試合をしてる姿に感動して、応援しようと思って夢ちゃんのブロマイドを買いました(笑)」

レスラーたるもの、日々の筋トレは欠かせない。「仕事では見合う成果が上がるかは分からないけど、トレーニングはやったらやっただけ返ってくるんですよ」(写真/馬場岳人)
レスラーたるもの、日々の筋トレは欠かせない。「仕事では見合う成果が上がるかは分からないけど、トレーニングはやったらやっただけ返ってくるんですよ」(写真/馬場岳人)

 アイドルを目指していたわけではないが、アイドルになった夢眠。後述の通り、ひょんなことからプロレスラーとしての道を歩むことになった今成。夢眠は「お互い体当たりで接していたら『いつの間にか“それ”になってた』っていう流れが一緒」というところに、今成と近いものを感じるという。それもあって、卒業後に直接の交流はないが、お互いの活動は気にかけている。

「ときどき、活動がクロスしてすれ違うことがあるんですよね。そういう時はお互い頑張ってるなと思って安心するっていう、“うっすら戦友”という感じです」

(文中敬称略)(文・高崎計三)

※記事の続きはAERA 2025年7月7日号でご覧いただけます

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