藤浪が日本球界復帰なら…(写真提供・日刊スポーツ)
藤浪が日本球界復帰なら…(写真提供・日刊スポーツ)
この記事の写真をすべて見る

 7月に入りプロ野球補強が可能な期間もあと1か月となった。トレードや新外国人の獲得に動く球団もあると思われるが、ここへ来て注目を集めているのが藤浪晋太郎(前マリナーズ傘下)だ。

【写真】イチローだけじゃない、MLB年金「満額支給」の日本人選手たち

 藤浪は2022年オフにポスティングシステムを利用してアスレチックスに入団。メジャー1年目はシーズン途中にオリオールズに移籍し、2チーム合計で64試合に登板して防御率は7.18ながら、7勝8敗2セーブ5ホールドという成績を残した。昨年は故障もあってメッツでマイナー暮らしが続き、今年もマリナーズでメジャー昇格を果たすことはできず、6月17日(日本時間18日)には自由契約となったのだ。

 今年のマイナーでの成績も21試合に登板して2勝1敗、防御率5.79と芳しいものではない。しかし5月以降に限れば自責点は1と徐々に投球は安定してきており、160キロを超えるスピードも健在だ。これから移籍先を探すことになるが、選択肢にはNPB球団も含まれているとのことであり、調査に動く球団もあるのではないだろうか。果たして藤浪を必要とする球団はどこになるのか。現在のチーム事情から探ってみたいと思う。

 まず真っ先に挙げたいのがヤクルトだ。チーム防御率は今年も圧倒的なリーグ最下位であり、現時点で規定投球回に到達している投手は1人もいない。リリーフもベテランの石山泰稚がフル回転の頑張りを見せているものの、ここ数年ブルペンを支えてきた清水昇と木沢尚文が揃って防御率4点台と安定感を欠くなど厳しい状況となっている。藤浪はアメリカではリリーフでの登板が多かったが、日本では先発としての実績もあるだけに、どちらでも起用できる可能性は高い。故障で長期離脱したケースもほとんどなく、そういう意味でも怪我人の多いヤクルトにとってはありがたい存在である。

 またヤクルトは野村克也監督時代から“再生工場”と言われているように、他球団で苦しんでいた選手が移籍してきて活躍するケースも多く、伝統的に外様の選手に対しても優しいと言われている。投手陣の救世主を期待して獲得を検討しても面白いだろう。

次のページ 過去には新庄監督も藤浪再生に意欲を