
夏の甲子園出場を目指す地方大会は6月14日に沖縄、21日には北海道の支部予選が開幕。7月から8月の本大会に向けて高校野球界は1年で最も盛り上がりを見せる時期であり、プロ入りを狙う選手にとっては大きなアピールの場でもある。そんな地方大会で注目の選手について、ドラフト候補となる選手を中心にピックアップして紹介したいと思う。今回は投手についてだ。
今年最注目の投手といえば春の選抜で最速155キロ、続く関東大会で最速156キロをマークした石垣元気(健大高崎)である。
5月27日に公開した『平均球速152.5キロ!「過去にもいない」健大高崎・石垣元気が高校No.1投手改めて証明…春季大会で目立ったドラフト候補たち』という記事でも触れたため、今回は詳述を避けるが、今年の高校生投手では頭一つ抜けた存在であることは間違いないだろう。
石垣に続く存在としては芹沢大地(高蔵寺)を挙げたい。中学時代は全く無名ながら、高校進学後には驚きの成長を見せており、4月にはU-18侍ジャパン強化合宿にも招集された。コンスタントに140キロ台中盤をマークするストレートは数字以上に打者の手元で勢いがあり、細身の体を考えてもまだまだ伸びる可能性は高い。
卒業後は社会人に進むと表明しているが、プロ志望届を提出すれば1位指名も狙える素材である。この夏の初戦は2年前に敗れている知立が相手で、勝ち進めば強豪の名古屋たちばなと対戦することになるが、どんなピッチングを見せてくれるかが楽しみだ。
他にこの夏次第で上位指名を狙える投手としては森陽樹(大阪桐蔭)、早瀬朔(神村学園)、藤川敦也(延岡学園)、江藤蓮(未来富山)、鈴木蓮吾(東海大甲府)の5人だ。
森は中学時代から大器と評判で、1年秋の近畿大会では圧巻のピッチングを披露。昨年も春、秋連続で甲子園のマウンドを踏んでいる。新チーム結成後は目立った成績を残しておらず、この春も少し停滞しているという声も聞こえてくるが、素材の良さは抜群だけに、最後の夏に期待通りの投球を見せてもらいたいところだ。