
先日パ・リーグ最下位のロッテについて『ロッテはなぜ「打線の核」が育たない? 伸び悩むドラ1&2野手、ピークを過ぎた助っ人…スカウティングと育成の問題がチーム低迷の原因に』というタイトルの記事を出したが、それ以上に苦しいのが現在セ・リーグ最下位のヤクルトだ。
【写真】高津監督が辞めたら…ヤクルトの次期監督として名前が挙がるこの人
6月19日終了時点での成績は18勝41敗3分で勝率は.305と、5位の中日と9.5ゲームもの大差をつけられており、3位の広島とは11.5ゲーム差。既にAクラス入りも絶望的な状況となっている。昨年パ・リーグで記録的な低迷と言われた西武も最終的な勝率は.350だったことを考えると、いかに今のヤクルトが勝てていないかがよく分かるだろう。
危機的な状況に拍車をかけているのが二軍の成績だ。
6月19日終了時点での成績は15勝43敗1分で勝率は.259となっており、これは12球団だけでなく、昨シーズンからファームに新規参入したオイシックス、くふうハヤテを含めても最低の数字となっているのだ。二軍は勝利よりも育成が重要とは言われるものの、NPB球団を自由契約になった選手とNPB未経験の選手で構成されている新規参入の2球団と比べても大きく負け越しているというのは由々しき事態と言わざるを得ないだろう。
低迷の大きな理由の一つが故障者の多さだ。主砲の村上宗隆を筆頭にショートの長岡秀樹、センターの塩見泰隆、投手も実績のある原樹理、奥川恭伸などの主力が軒並み故障やコンディション不良で二軍調整となっている。ただこれは今年に限ったことではなく、球団として悪しき伝統となっている印象も強い。2027年シーズンからファーム施設を茨城県の守谷市に移転することが発表されているが、そういったハード面に加えてトレーニングやケアなどのソフト面も改善していくことが重要だろう。
そして、低迷の最大の理由は、やはりドラフトにあるのではないだろうか。
外国人選手に関しては投手は苦戦しているものの、サンタナ、オスナという安定した野手2人を揃えており、他球団に比べると貢献度は大きい。また昨年オフにFAで獲得した茂木栄五郎や、他球団を自由契約となって加入した西川遥輝、増田珠、小沢怜史などの移籍組も貴重な戦力となっている。ただ本来チームの中心となるべき生え抜き選手が投手、野手ともに軒並み伸び悩んでいる印象が強い。