創価大・立石正広は複数球団による競合の可能性が極めて高い(写真提供・日刊スポーツ)
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 高校野球は春季大会、大学野球は全日本大学野球選手権が終了。社会人野球では都市対抗予選が佳境を迎えているが、アマチュア野球の春のシーズンはある程度、一段落した印象を受ける。そこで今回はこの時点でドラフト1位となりそうな選手は誰なのか。12人をピックアップしてみたいと思う。

【写真】ドラフト史上最多の8球団が1位指名で競合したのはこの選手

 まず現時点で頭一つリードしているのが立石正広(創価大・二塁手兼三塁手)だ。大学選手権では初戦で敗れ、内野安打1本に終わったものの、春のリーグ戦では12試合で打率.400、5本塁打、16打点と圧倒的な結果を残して見せた。パワーはもちろんだが、右方向へも強く打てる対応力があり、強肩と俊足も備えている。同じ右の強打者タイプで昨年1位でプロ入りした西川史礁(青山学院大ロッテ1位)、佐々木泰(青山学院大→広島1位)と比べても総合力は上という印象だ。将来の中軸候補が必要な球団は多いだけに、複数球団による競合となる可能性は極めて高い。

 もう1人、現時点で1位指名が有力なのが石垣元気(健大高崎・投手)だ。選抜高校野球ではわき腹を痛めた影響で本調子ではなかったものの、それでも大会最速に並ぶ155キロをマーク。その後の県大会では先発でも結果を残すと、続く関東大会ではリリーフながら4試合連続無失点と圧巻の投球を見せてチームを優勝に導いた。楽に投げて150キロを超える出力の高さは大学生、社会人を含めてもトップクラスであり、まだまだ余力も感じられる。コントロールと変化球も年々向上しており、高校生投手ではナンバーワンと言える存在だ。将来のエース候補が欲しい球団が真っ先に狙うことも十分に考えられるだろう。

 立石、石垣に続く存在となると大学生投手に候補が多い印象だが、現時点で選ぶのであれば斉藤汰直、山城京平(いずれも亜細亜大)、中西聖輝(青山学院大)、桜井頼之介、堀越啓太(いずれも東北福祉大)、島田舜也(東洋大)の6人を挙げたい。

 斉藤は開幕戦で右手の爪を痛めてしばらく実戦から遠ざかったが、最終週の青山学院大戦では2試合に先発して8回を1失点、9回を1失点完投といずれも見事な投球を見せて復調ぶりをアピールした。スケールと完成度のバランスでは今年の大学生でもトップと言える存在だ。チームメイトの山城も斉藤が不在の間は主戦として活躍し、最優秀防御率のタイトルを獲得。ストレートはコンスタントに150キロを超え、課題の制球も改善傾向にある。貴重な本格派左腕として注目度は高い。

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