
巨人は左腕のリリーバーが豊富だったので登板機会に恵まれなかったが、ソフトバンクの救援陣は左腕が手薄だ。長谷川威展が開幕前にトミー・ジョン手術を受けて今季中の復帰が絶望となり、ダーウィンゾン・ヘルナンデスが左太もも付近の違和感で5月下旬に登録抹消された。リーグ連覇を目指すピースとして、大江に首脳陣の期待が大きいことは間違いない。
「大江を補強できたことは、ソフトバンクにとって大きなプラスだと思います。スライダーとチェンジアップの質が高く、直球も140キロ前後の球速表示より速く感じる。26歳とまだまだ若いですし、ここから全盛期を迎える可能性が十分にあります」(他球団の編成担当)
大江は山本由伸(ドジャース)、今井達也(西武)と同学年。高校時代は二松学舎大付1年の2014年に同校を夏の甲子園初出場に導く好投で話題になった。エースとして臨んだ翌年春の甲子園では1回戦・松山東戦で16三振を奪っている。当時はオーバースローの本格派左腕だったが、16年のドラフト6位で巨人に入団後はサイドスローにフォームを改造して活路を見出した。
今回の電撃トレードは巨人の主砲・岡本和真が左肘靭帯損傷で長期離脱したため、巨人サイドが「長打を打てる強打者」としてリチャード獲得を熱望して成立したと報じられている。岡本の故障で転がり込んできた環境の変化を機に、大江は輝きを放てるだろうか。
(今川秀悟)
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