優勝を果たした富山第一ではエースの岩寺翔義が印象に残った。準決勝の中越戦では5回を投げて5失点ながら7奪三振をマーク。174㎝と投手としては小柄な部類に入るが、オーソドックスなフォームから投げ込むストレートはコンスタントに140キロを超え、カウントをとるスライダー、チェンジアップ、決め球のフォークなど変化球も悪くない。少しテイクバックで体をひねる動きがあり、その影響もあってか引っ掛けるボールも目立ったが、そのあたりが解消されればより安定感が増す可能性は高いだろう。高校からすぐにプロというタイプではないが、今後も追いかけていきたい素材である。
冒頭でも触れたが、既に夏の地方大会の足音も聞こえてくる時期となってきた。今年は全体的にプロ志望の高校生の有力候補が少ないと見られているが、選手にとっては逆にチャンスも大きいだけに、夏にはまた新たな新星が登場してくることを期待したい。
(文・西尾典文)
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