阪神・近本のFA宣言はあるのか(写真提供・日刊スポーツ)
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 セ・パ交流戦に突入した今年のプロ野球。交換トレードや新外国人の獲得など今季の戦力補強はまだまだ行われているが、その一方で水面下では徐々に来季に向けた動きもあると見られている。特に即戦力の補強となるとフリー・エージェント(FA)での選手の獲得だが、今シーズン中に新たにFA権を取得する見込みの選手について現状をまとめてみたいと思う(成績は6月8日終了時点)。

【写真】オリックスのエース候補だったこの人も今オフFAの目玉か

 まず最大の大物選手と見られているのが近本光司(阪神)だ。ルーキーイヤーから不動のリードオフマンとして活躍。6月7日のオリックス戦ではチーム生え抜き最速となる通算1000本安打も達成した。シーズン打率3割を超えたのは2021年だけだが、打率、出塁率ともに常に安定した成績を残してきており、今年もここまでチームトップの68安打、13盗塁をマークしているようにその力は全く衰えを見せていない。チャンスメーカータイプの外野手としては12球団でも屈指の存在である。

 兵庫県の淡路島出身で社高校、関西学院大、大阪ガスとアマチュア時代から関西のチーム一筋でプレーしてきたこともあって残留の可能性は高いと見られているが、昨年オフの契約更改では球団からの複数年契約のオファーを断り、1年契約を結んだことを考えるとFA権を行使することも十分に考えられる。そうなれば2025年オフの目玉となることは間違いないだろう。

 近本と同じタイプの外野手では辰己涼介(楽天)もシーズン中にFA権を取得する見込みとなっている。昨年はキャリアハイとなる158安打、打率.294と見事な成績を残して最多安打のタイトルを獲得。自身初となるベストナイン、4年連続となるゴールデングラブ賞にも輝いた。しかし今年は開幕から不振が続き、4月21日には登録抹消。5月9日には一軍復帰を果たしたが、その後もなかなか調子が上がらず、打率.210という成績に終わっている。守備とスピードについては以前から高い評価を得ているが、打撃がなかなか安定しないのは長年の課題となっている。FA宣言すれば獲得に動く球団が出てくる可能性は高そうだが、キャラクター的にも独特と言われているだけに、ここから何とか調子を上げて実力でさらに評価を上げたいところだ。

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