撮影:馬場岳人(朝日新聞出版写真映像部)

 ちょうど日本が経済成長にさしかかったころで、職場で昇進した夫は部下を連れて景気よく飲み歩いていました。

 きれいな女性のいるバーやスナックにもよく出入りしていたようです。

 その夫がある日、つくづくと私を頭から足先まで眺めてこう言ったのです。

「あのね、『身だしなみ』っていうものがあるんだよ。女性なんだからいつもきれいにして、口紅くらいつけておきなさい」と。

「ええっ!? この人、こんなこと言うの?」という驚きとともに、「この人の言うことももっともだ」と思ってしまいました。

 当時、私は30歳になるかならないかくらい。お産以外で寝込んだこともなく、健康で肌もパツッと張っていたので口紅どころか化粧水一つつけたことがなかったんです。

 でも夫にそう言われて鏡をのぞいてみたら、なんとなく女性っぽくは見えるけれども、いわゆる「女性らしさ」のかけらもない、ただの元気な若いお母さんが映っていたのです。

 さすがに自分でも「これはまずい」と思いました。

 そんなときたまたまセールスをしている女性と知り合ったのをきっかけに、ポーラ化粧品を使い始めたんです。

 使ってみて「化粧品ってこんなにすごいものだったの!?」と驚かされました。つけるとお肌にグングン浸透して、みずみずしく潤ってくるのがわかったからです。

 自分では「まだ十分に若いし、お肌のケアなんて必要ない」と思っていたのですが、大間違いでした。

 まだ若かったからこそ、お手入れをすればするほどお肌が内側から輝いてくるんですね。こうなると鏡をのぞくのが楽しくなります。

 そのうち、同じ団地に住んでいた奥さんたちに「堀野さん、最近、ずいぶんきれいになったんじゃない?」なんて言われて、ますます気をよくしました。

 こんなふうにしてポーラ化粧品と出会った私は、一生を共にすることになったのです。

 仕事柄、お肌のお手入れは欠かしませんでしたが、老いはやってきます。

 それでも「少しでもきれいにしていたい」という思いはいつも持っています。

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