
「きれいになりたい」という気持ちは、何歳になっても人生を明るくしてくれる──102歳現役美容部員・堀野智子さんが語る、“美”との出会い。おしゃれ好きだった幼少期、戦争に翻弄された青春時代、そして夫の一言で思い出した「女性らしさ」。
「化粧品ってこんなにすごいの?」――30代でポーラと出会い、自分自身を取り戻すように“きれい”を楽しみ始めた堀野さん。肌のお手入れを通じて心も前向きになり、「きれいでいたい」という気持ちが人生の原動力になっていった軌跡を語ってくれました。年齢に関係なく、自分らしく輝きたい人に届けたい、美と前向きさのメッセージを、堀野さんの最新刊『102歳、今より元気に美しく』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・加筆再編集して公開します。
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――102歳でも現役美容部員として活躍する堀野さんが、「きれいになりたい」と思ったそもそものきっかけはどんなものでしたか。
私は、かわいいものやきれいなものが大好きです。
洋服など身に着けるものにこだわりがあるのはもちろん、化粧品のパッケージやお菓子の箱など、きれいなものを近くに置いておきたくなるんです。
思えば子どものころからおしゃれに興味があったように思います。母がそういうふうに仕向けてくれたのかもしれません。
似合いそうな着物を着せてくれたり、たしなみとしてお琴を習わせてくれたりしました。母自身がちょっとハイクラスなものに憧れていたのでしょうね。
でもそのことを私は長らく忘れていました。
太平洋戦争が始まったのが18歳のときで、終戦時に22歳。その翌年に結婚し、3人の子どもを出産。人生でいちばん美しいと言われる20歳前後が激動の時代にすっぽり入ってしまっているので、おしゃれどころではなかったというのが正直なところです。
それを思い出させてくれたのは、亡くなった夫でした。