そんな「やまとなでしこ」は放送当時、最終回が平均世帯視聴率34.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。加えて、同年に3夜連続で放送された松嶋主演のスペシャルドラマ「百年の物語」(TBS系)も第3夜で32.6%という高視聴率を叩き出した。

“視聴率30%女優”のイメージが定着した松嶋には、その後も出演オファーが絶えなかったが、04年に夫で俳優の反町隆史との間に長女をもうけると出演本数をセーブ。そして、実に11年ぶりの単独主演となった11年放送の日本テレビ系ドラマ「家政婦のミタ」は最終回が平均世帯視聴率40%という驚異的な数字を叩き出し、テレビ史に残る伝説的ドラマとなった。これまでの松嶋の私生活について、前出の編集者が言う。

「07年には第2子となる次女を出産した松嶋さんですが、夫婦の撮影期間がかぶらないように調整するなど、交代で子育てに集中していた時期もあったようです。20年には長女のロンドン留学をサポートするため“日英往復生活”を開始したことが報じられましたが、ここ数年は連ドラ出演も目立つようになり、23年のNHK大河ドラマどうする家康』で演じた家康の母・於大の方役も好評でした。次女が今年で18歳の成人を迎えるので、今後は松嶋さんがメインを務める作品が増えることも予想されます」

松嶋菜々子が「稀有な女優」なワケ

 24年4月放送のフジテレビ系スペシャルドラマ「GTOリバイバル」では、主演の反町と夫婦共演を果たし、大きな話題となった松嶋。年齢を重ねるごとに進化する演技について、前出の北村氏が語る。

「20代前半はNHK朝ドラ『ひまわり』などで見せたフレッシュな透明感とストレートな感情表現が魅力でしたが、『やまとなでしこ』などに出演した20代後半からはコメディーや時代劇など、幅広い役柄で演技の幅を広げられたように見えます。そして、30代後半以降は『家政婦のミタ』の無表情に秘める冷徹さや、『SUPER RICH』の苦悩を含ませたキャリアウーマン役など、抑制されたなかに豊かな感情を感じさせる、円熟味のある演技へと進化したように感じます。長年第一線にいながら常に進化を続けている、視聴者を飽きさせない稀有な女優さんといえます」

 50代となりますます貫禄が増す松嶋。16年7月期の「営業部長 吉良奈津子」(フジテレビ系)を最後に“連ドラ主演”からは遠ざかっているが、今後はさらなる活躍が期待できるかもしれない。

(小林保子)

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