朝ドラ「あんぱん」で”悪女”を演じ、圧倒的な存在感を見せた俳優の松嶋菜々子
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 26日放送の「100カメ」(NHK総合・午後7時57分)は朝の連続テレビ小説「あんぱん」の収録現場に100台の小型カメラを仕込んで密着する。ヒロインの今田美桜の衣装合わせや方言指導、河合優実と細田佳央太の胸キュンシーンの演出など、朝ドラファン必見の見どころ満載。そんな朝ドラ「あんぱん」の出演者のひとり、松嶋菜々子にまつわる過去の人気記事を振り返る(「AERADIGITAL」2025年4月22日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)。

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「用事が片付いたらすぐ迎えにくるから、いい子にしてるのよ」

 現在放送中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で松嶋菜々子(51)が不穏に言い放ったこのセリフに、朝からゾクゾクした視聴者も多かったのではないだろうか。

 昭和初期の高知県を舞台とした同作で、絵本「アンパンマン」シリーズの作者・やなせたかし氏の母をモデルとした柳井登美子役を演じる松嶋。放送開始早々の第1週では、厳しくも心優しい母親かと思いきや、幼い息子たちに自身が再婚することを告げないまま、亡き夫の兄の家に置き去りにして出ていく非情にも思えるシーンが印象的だった。

 放送後、ネット上では着物姿の松嶋の美しさに圧倒される視聴者が続出。「松嶋菜々子がいると画面が随分リッチになるな」「美貌が爆発してる松嶋菜々子を、朝から拝めるありがたさよ……」といった声が相次いだ。ドラマライターの北村有氏は、同作での松嶋についてこう語る。

「松嶋さんの魅力は、静かな佇まいで役の内面を深く伝える演技力の高さと、持ち前の飾らない自然体の美しさ、そして声が持つ柔らかさも相まって、画面に映るだけで作品の格が上がるような圧倒的な存在感にあると思います。『あんぱん』で演じる登美子は、再婚のために幼い息子を置いて出て行ってしまうという、現代の価値観では理解が難しい母親像です。しかし、松嶋さんはその複雑な役柄を飾らない演技と気品で見事に体現していて、セリフの少ない場面でも、何気ない表情や仕草からにじみ出る感情に思わず心を奪われた視聴者は多いのではないでしょうか。昭和レトロな装いに身を包んだ松嶋さんが画面に現れるだけで空気が変わる。まさに唯一無二の女優さんだと思います」

登美子と重なる“悪女”神野桜子

 一方、登美子の“悪女”ぶりから、かつてフジテレビ系月9ドラマ「やまとなでしこ」で松嶋が演じた主人公・神野桜子を想起した視聴者もいたようで、「登美子さんが『貧乏なんて大嫌い』な桜子さんとダブる」といった声も。テレビ誌の編集者が言う。

「2000年に放送された『やまとなでしこ』は、『あんぱん』と同じく中園ミホさんが脚本を手掛けたラブコメディー。桜子は貧しい家で育った経験からお金持ちの男性にしか興味がなく、合コンなどでしたたかな悪女ぶりを発揮していたため、夫の病死後にさっさと再婚する登美子を見て重なった視聴者もいたようです。なお、『やまとなでしこ』は今年2月にNetflixで全話配信がスタート。再生数ランキングで上位になるなど改めて注目されており、最近になって見直した人も多かったようですね」

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