ロッテは2021年に掲げた“VISION2025”の総決算としてリーグ優勝と日本一を目指したシーズン。3年目を迎えた吉井監督は、自らが専門の先発投手陣へ大きな期待を抱いていたが、裏切られている状況だ。
「あいつがしっかりしないと、チームは良くならない。(中略)開幕投手、エースと言われる男なんで、悪いなりにいつもこんな感じでは本当に話にならない」(5月13日の楽天戦後、小島投手について)
「そもそもボールが操れていない。今日は全然ダメでしたね。(1軍へ)上がってきて何も変わってなかった。あれぐらいの期間じゃ修正できなかったのかなと思う」(5月14日の楽天戦後、種市投手について)
開幕投手を任せた左腕・小島和哉と右のエースと期待する種市篤暉。吉井監督が投手コーチ時代から鍛え上げた2投手が連日の背信投球をした際には、全否定に近いニュアンスの発言だった。
「吉井監督はコーチ時代は何があっても投手を守ってきた。選手に前向きにプレーしてもらうため、接し方やコメントにも気を遣っていた。勝敗に一喜一憂して個人名を出したりするのはどうかと思う」(ロッテOB)
追い込まれた人間が変化してしまうのは、どのような世界でも多々あること。しかし監督のマネージメント力が勝敗に直結するプロスポーツの世界、目先の状況に左右されて選手を責めるようでは先に期待できない。
「高津監督は6年目を迎えた長期政権。3年目の吉井監督も結果を求められる正念場の年。焦る気持ちもわかるが、ネガティブな発言は誰もが望んでいない。カラ元気でも良いので、いつもの明るくユーモア溢れる言葉が聞きたい」(在京テレビ局スポーツ担当者)
厳しさや叱咤激動のみで選手を鼓舞できる時代ではない。ゆとり世代やZ世代以降の選手がチームの中心を担うようになった昨今、選手個々への苦言は「百害あって一利なし」だろう。チーム状態が好転するためにも、今一度、両監督の忍耐力が試されているのかもしれない。
監督業というのは並大抵な仕事ではない。負けが混んでいる今は逆風が強く、逃げ出したくなるような状況かもしれない。しかし高津、吉井の両監督にはチームを立て直して、ここからの巻き返しに期待したい。明るくポジティブなコメントが増えて欲しいものだ。
こちらの記事もおすすめ 昨秋はCSで対戦も…首位・日本ハムと最下位・ロッテ、なぜ差がついたのか