
「鰻を食べると、心も体も元気になるの」──102歳の現役美容部員・堀野智子さんが語る、“スペシャルな日の作り方”。暑い日や気分が落ち込んだとき、堀野さんが選ぶのは鰻。「栄養が体にしみわたる」「視界が明るくなる気がする」──そんな風に語るその食体験には、日常を豊かに楽しむ秘訣が詰まっています。
80代まで続けた“鰻を食べる会”の思い出とともに、食と人生を味わい尽くす堀野さん流の「気分を上げる習慣」に、あなたも元気をもらえるはずです。堀野さんの最新刊『102歳、今より元気に美しく』(朝日新聞出版)から一部を抜粋・加筆再編集して公開します。
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――堀野さんは「鰻を食べて気分転換をしていた」と伺いました。どうして鰻を食べることが気分転換につながっていたのか。ぜひ教えて欲しいです。
ドジョウは苦手ですが、鰻は大好きです。同じようにぬめぬめしているのに、片方はダメでもう一方が好きというのは奇妙なものだなと自分でも思いますが、事実なので仕方ないですね。
日本では夏の土用の丑の日に鰻を食べる習慣があります。
土用というのは立春・立夏・立秋・立冬よりも前の各18日間のことだそうです。そして「丑の日」の「丑」は、十二支の干支の「丑」のこと。干支は日にちを数えるのに使われているので、12日に1回「丑の日」がやってきます。
つまり「土用の丑の日」というのは、土用の期間にやってくる丑の日であり、夏に鰻を食べる「土用の丑の日」は、立秋(8月8日ごろ)より18日前までの丑の日ということになりますね。
夏の暑さで体力を消耗しているところに鰻を食べて精をつけるというのは、理にかなっているように感じます。