フジテレビ退職後、独占インタビューははじめて(撮影:横関一浩)

 実は生放送後、意外にも番組スタッフからは「いやぁ、人間、永島優美を見たよ」と肯定的な声があがったんです。というのもそれまでの私は、「めざましテレビ」のメインキャスターというプレッシャーでとにかく必死でした。その必死さをスタッフも心配していたようです。怒られるというよりは「そういう感じで、もっとリラックスしていこう」みたいな雰囲気になりました。

 素の自分を出したほうが視聴者の皆さんも安心するでしょうし、朝から明るい気持ちになれると思います。その「痛ぁぁ~い!」ハプニングから、私自身も楽になってスタジオの雰囲気が柔らかくなったように思います。「永島って、いじっても大丈夫なんだ」って思ってもらえるようになった気がします(笑)。やってはいけない失敗ではありましたが、アナウンサーの個性として自分が変われるきっかけになったと思います。

実家のような場所でした

――今は日の出の後に起きる生活でしょうか?

 朝日を浴びる生活もいいですね。起きたらすでに「めざましテレビ」が始まっていて、「相変わらず和気あいあいやっているな」と思いながら見ています。後輩アナウンサーからは時々連絡をもらっています。現「めざましテレビ」メインキャスターの井上清華アナもすごく頼りにしてくれていて、退職の時は長文の労いのメールを送ってくれました。ある意味、実家のような場所でした。

――今のフジテレビに思うことはありますか? フジテレビが社会問題として、会社の在り方が問われています。

 今の私がお伝えできることがあるとすればそれは、制作の皆さんとアナウンサーは本当に一丸となって「いい番組を作りたい。視聴者の皆さんにいい朝を迎えていただきたい」という一心でやってきたということです。ほとんどの方がそうです。ですから今回の一連のことで、人の心の痛みがわからない人が会社にいたということが私自身非常に驚きでしたし、残念でなりません。これから正すべきところはしっかりと正して変わっていかなければならないと思います。新たなスタートラインに立ち、改善へ向かって歩んでいくことを、心から願っています。

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