故障者が少ない日本ハム、その理由は?(写真提供・日刊スポーツ)
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 NPBは開幕から2ヶ月弱が経過したが、怪我・故障者の続出に苦労している球団も多い。「今春キャンプは寒い日が続いたことでプラン通りの調整が進まなかった」のが理由の1つとされている。

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「寒い」が今春キャンプの共通ワードだった。各球団の一軍がキャンプを行う、沖縄(石垣島を含む)と宮崎は寒波に見舞われ、2月とは思えない寒さに包まれた。

「本当に寒い日が続いた。2月の沖縄で暖房を入れて寝たのは初めての経験。選手たちはコンディションを上げて行くのが本当に大変だったと思う」(スポーツ新聞野球担当デスク)

 通常2月のキャンプ地は暖かな陽気に包まれる。時に雨が降ったり、風が吹いて肌寒く感じる日もあるが、2月10日前後を境に「球春到来」を感じさせる天候となる。しかし今年は沖縄、宮崎共に2月後半まで冷え込む日が続いた。

「プロでのキャリアが長い選手ほど、開幕へ向けて調子の上げ方が体に染み付いている。今年のような異常気象の中では適応が難しかっただろう。キャンプ、オープン戦と開幕へ向かうに連れて怪我・故障者が続出したのもわかる気がする」(元在京球団コンディショニング担当コーチ)

 オリックス・森友哉、巨人丸佳浩ヤクルト村上宗隆など、各球団の主力選手が怪我・故障を負って開幕前に離脱することとなった。その中で日本ハム阪神は被害を最小限に抑えられており、開幕後も安定した戦いを続けているのは当然かもしれない。

「寒い中では筋肉が硬直し可動域も狭くなるので怪我・故障を起こしやすい。しかし、それでも開幕から逆算して体を作らなければならない。『環境、メニュー等を考慮して、通常に近い状態まで取り組めるか?』になる。阪神と日本ハムはしっかりできていたのだろう」(元在京球団コンディショニング担当コーチ)

 日本ハムのキャンプ地は宿舎から徒歩圏内にあり、メイン球場・タピックスタジアム名護は2020年に全面改装に近い形でリニューアル。充実した室内練習場やウエイトトレーニング場を併設、「もちろん24時間使用可能です」(日本ハム関係者)という環境だ。

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