ボビー・バレンタイン監督復帰2年目の同年は、開幕戦で新球団・楽天に1対3で敗れ黒星スタートも、翌日の同カードで球団新の26得点を記録して勢いに乗ると、4月を18勝5敗、5月を17勝9敗のハイペースで首位を独走。同年から始まった交流戦でも、6月10日から愛知万博のお膝元・ナゴヤドームで行われた中日戦に3連勝するなど、初代優勝チームにもなった。

 その後、6月下旬に失速し、ソフトバンクに4.5ゲーム差の2位でシーズンを終えたが、ここから逆襲に転じる。

 2勝2敗で迎えたソフトバンクとのプレーオフ第2ステージ第5戦、1点ビハインドの8回に同年限りで引退を決めていた代打・初芝清の「野球の神様が打たせてくれた」内野安打をきっかけに鮮やかな逆転勝ちでパの覇者に。日本シリーズでも阪神に4連勝して、31年ぶりの日本一を達成した。

 投手陣は“サブマリン”渡辺俊介の15勝をはじめ、4人が二桁勝利。打線も今江敏晃、堀幸一、フランコ、福浦和也と3割打者4人を擁し、チーム防御率、チーム打率ともにリーグトップだった。

 同年の躍進について、リリーフとしてチームに貢献したかつてのエース・小宮山悟はシーズン中、「(98年の)18連敗中にファンの皆さんが必死で応援してくれたのが、今季のチームの勢いにつながっているのだと思います。僕にとっては、去年(04年)の球界再編成問題の際にもたくさんのファンの方が(他球団との合併を反対)応援してくれたお蔭で、今の形(2リーグ制継続)を保てたことも大きいので、すべてのファンのためにも頑張らなきゃと思っています」と語っていた。

 そんなファン、チーム一体となった長年の思いが結実したのが、愛知万博開催年だった。

 優勝には届かなかったものの、国際科学技術博覧会のつくば科学万博が開催された85年にも、ロッテは右肘のトミー・ジョン手術から復活し、“サンデー兆治”の異名をとった村田兆治、2度目の三冠王に輝いた落合博満の活躍で、2年連続2位と健闘している。

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