打撃不振で登録抹消されたDeNA・筒香(日刊スポーツ)
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 各球団がシーズン30試合前後を消化し、戦いぶりの中で目指すべき方向性と課題が見えてきた。その中で気になるのが、昨年短期決戦を勝ち上がって26年ぶりの日本一に輝いたDeNAだ。

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 トレバー・バウアーが復帰して投手力が上がり、戦前の下馬評では優勝候補に目されていたが、自慢の打線がふるわない。主砲の筒香嘉智が打率.115、1本塁打、2打点で5月1日に登録抹消。2度の首位打者経験がある宮崎敏郎も打率.230、0本塁打、5打点で、やはりファーム再調整となった。(5月8日現在)

「筒香はオープン戦から状態が上がってこなかった。直球に差し込まれ、変化球に泳がされるので抜けた変化球しか打てない状況でした。宮崎もコンタクト能力に定評がある選手ですが、今年は空振りが多い。36歳という年齢を考えると衰えがきても不思議ではない。DeNAを支えてきた左右の強打者ですが、いつまでも頼るわけにはいかない。若返りを図る時期が来ています」(スポーツ紙デスク)

 筒香、宮崎を欠き、主軸を打つ佐野恵太は本塁打ゼロ、2塁打3本と長打が出ない。若手の奮起が期待されるところだが、昨年頭角を現した梶原昂希、森敬斗は攻守で精彩を欠き、ファームで汗を流している。

 DeNAは巨人阪神と比較して救援陣が見劣りするため、得点力で上回らなければ苦しい戦いになる。昨年は522得点、チーム打率.256がリーグトップ、101本塁打はリーグ2位と、破壊力抜群の打線がチームを引っ張った。だが、今季はここまで92得点がリーグ4位、チーム打率.220はリーグ5位で巨人、阪神、広島に比べて3分も低い。チーム本塁打数もリーグ5位の10本で、本塁打が出にくいバンテリンドームを本拠地にする中日をも下回る。シーズン序盤で首位とのゲーム差は大きくないが、打撃不振は大きな不安要素だ。

 球団OBは、以下のように分析する。

「筒香、宮崎の打撃不振に加え、オースティンが故障で離脱していた期間があったのも大きかったと思います。ただ、打線全体で見た時にスケールが小さくなっているかなと。個々の選手を見るとフルスイングでなく、当てにいくような打撃が目立つ。ボール球を振って凡打に倒れるなど、もったいない打席が多いことも気になります。このままの戦いでは優勝は厳しいとは感じます」

 同じ投手に何度もやられていることも気になる。巨人・山崎伊織には今季2度対戦して15イニングで無得点。昨年も4度の先発登板で0勝3敗とカモにされた。中日の松葉貴大にも今季2戦2敗。13回1/3で無得点と苦戦。左腕の先発と対戦した試合は3勝10敗1分と大きく負け越している。

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