多くの球団でダイナミックプライシングが導入されている
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 なぜここまで高額になるか理由も教えて欲しい。プロ野球のダイナミックプライシング(価格変動制)導入球団は、価格決定の根拠も公表すべきではないか。同制度の仕組みは理解していても、納得できない価格設定が多過ぎるからだ。

【写真】本拠地移転から25年以上経つが、今でもファンに愛されている球場がこちら

 NPB各球団のチケット価格は年々、上がり続けている。MLBを含めた近年の野球人気向上に伴うものであり仕方がない部分はある。しかし、ダイナミックプライシングに関しては疑問の声が途切れることはない。

ロッテファンで推しの選手もいるが、チケット代金が高過ぎて球場へ足を運ぶ回数は減りました。野球好きなので、チケット代金が安い球団の試合やアマチュア野球へ行くことも考えている」(ZOZOマリンのロッテファン)

 チケット価格の高騰で、野球の楽しみ方の変化を余儀なくされているファンも多いようだ。

 ダイナミックプライシングは、試合時期や需要供給等のデータを元にAIによって価格設定を行うシステム。今季は12球団中8球団が採用、中でもロッテとヤクルトは高額設定されることが話題になっている。

「平日ナイターの外野席でも5000円近くになる。しかし、ZOZOマリン名物の熱狂的応援に参加したい多くのファンがチケット購入して球場へ足を運んでくれる。有難いことなのでホームでは絶対に勝ちたい」(ロッテ関係者)

「ゴールデンウィーク期間中などは外野席が1万円近い日もあるがチケットは完売状態。神宮球場は東京のど真ん中という立地、少なくなったオープンエア球場という好条件もあり、ファンの方々も納得してくれているのだろう」(ヤクルト関係者)

「購入してくれる人がいるならビジネスとしては成功」(スポーツマーケティング会社関係者)というのは正論だ。しかし試合によっては、ホーム側よりビジター側のチケット代金が高額という「歪み」に近い状況も生まれることもある。

「神宮球場に阪神ファンが大挙するのは、東京ドーム開催の巨人戦チケットが入手困難だからだった。同制度採用でヤクルト戦の値段が信じられないほど高くなった。今までのように頻繁に足を運ぶことはできない。関東の虎党は寂しい思いをしている」(神宮球場の阪神ファン)

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