
「もっと入場者に優しくしないと」
会場には、旅行会社のツアーの団体もかなりいる。同行していた添乗員に話を聞いた。
「今日は関東からのお客様をご案内しています。比較的、ご高齢の方が多いので、広い万博会場を無駄なく歩いてもらうのに工夫が必要です。それと暑さ対策ですね。30分に一度くらいは水分補給を呼び掛けている」
修学旅行を案内する予定もあるという。
「当初、修学旅行を担当する予定はいくつもあったんですが、いくつかキャンセルになりました。安全性の不安とかで万博の評判がよくない。奈良や京都、USJ(ユニバーサルスタジオジャパン)に変更という学校がけっこうありました。それに、学校単位でご案内しても、パビリオンはいいとこ3つ4つほどしか入場できないでしょう。リングからの景色は素晴らしいが、炎天下でずっと見ていたら体調を崩しかねません。旅行会社では、団体客用のチケットがけっこう余っているとも聞きます。健康がテーマの万博ですが、肝心なところに配慮が欠けている印象です。プロの目から見ると、もっと入場者に優しくしないと修学旅行には選んでもらえませんよ」
リングと並んで万博の目玉だった「空飛ぶクルマ」は、4月26日に実施されたデモフライトでプロペラの一部など部品が落下するアクシデントが発生。けが人は出なかったが、デモフライトはしばらく休止することになった。
「開幕直前に商用飛行を実施しないと決めていてまだよかった。商用飛行でこんなアクシデントがあれば、事故として扱われ、警察や国交省なども出張ってきたはずで、もっと大きくニュースになり、ヤバかった。学校単位の万博行きも安全性などでキャンセル続出だったでしょうね」(国際博覧会協会の関係者)
これでますます安全性に不安が募ることになった万博。子どもたちが事故に遭ったり健康をそこねたりしないことを祈りたい。
(編集部・今西憲之)